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顔の動きが戻る、小さなきっかけ
「笑顔が歪んでしまうなんて、思ってもみなかった」
30代の女性、Yさん。ある朝起きると、顔の左側が動かしづらくなっていることに気づきました。最初は寝違えたのかと思ったものの、数時間たっても改善せず、病院で「ベル麻痺(顔面神経麻痺)」と診断されました。
「このままずっとこの顔のままだったらどうしよう」
そう思うだけで、外に出るのが怖くなったといいます。
不安な毎日の中で出会った「鍼灸治療」
リハビリや薬物療法を続ける中で、Yさんが見つけたのが鍼灸治療でした。
「美容っていう名前じゃなく、“治療”と書かれていたのが安心でした。しかも、神経や筋肉の働きを整えるって説明にすごく納得できて」
刺激を与えすぎず、やさしく流れを整える
顔面神経麻痺において大切なのは、「必要な場所に、適切な刺激を与える」こと。
鍼灸治療では、微細な鍼刺激で筋肉や経絡を活性化し、血流と神経伝達のサポートを行います。
ただし、急性期に強い刺激を与えるのは逆効果のこともあります。宋鍼灸院では、病期(急性・回復期・慢性)や麻痺の部位、症状に応じて、刺激の強さや範囲を繊細に調整しています。
「昨日より、まばたきがしやすい」
3回目の施術後、Yさんがふとつぶやきました。
「昨日より、まばたきがしやすい気がするんです」
もちろん劇的な変化ではありません。ですが、その“かすかな前進”が、回復の兆しであり、心を支える大きな要素になります。
鍼灸治療は魔法ではありません。けれど、身体が少しずつ回復していく過程に、そっと寄り添い、前へ進むきっかけを与える力があります。
「ちゃんと笑える日が、また来る」
Yさんは今、少しずつ表情が戻りつつあります。
まだ不安もあるけれど、「このまま続けていけば大丈夫かも」と言えるようになりました。
顔面神経麻痺でつらい思いをしている方へ。
ひとりで抱え込まず、どうか“整えてゆるめる”ケアのひとつとして、鍼灸治療を選択肢に加えてみてください。